仕事
〇透明中隔 cavum septi pellucidi 2層の透明中隔が癒合せずに内腔が残った状態. 〇Verga腔 cavum Vergae 透明中隔の後方延長で,通常,透明中隔がない場合にはVerga腔も存在しない.脳梁下方かつ脳弓および中間帆の上方に位置する. (脳MRI 1.正常解剖 秀…
2024年1月16日,3月までの予定だった前任地から,予定を早めて帰任しました. 前任の大学病院に比較してやはり救急搬送が多く,帰任4日間で,緊急カテーテル治療が2件,診断カテーテルが2件,IV-rtPAが2件ありました. 緊急カテーテル症例は, ①AIS-LVOの血…
抗血小板剤の薬理・薬物動態を改めて勉強していたら、アスピリン作用の中和にデスモプレシンが有効という論文に出会った。 Neurocrit Care 2011,14,148 Eur J Anaethesiology 2002,19,647-651 desmopressinは、 ・第8因子、vWFの血漿中レベルが上昇する。 ・…
某医大 脳卒中科に赴任して約2か月。 前任の民間病院と比べると、入院主治医、救急当番、当直等の臨床業務の負担は激減し、むしろ臨床医としては暇に。だからこそ外勤にいったり、自由度が高いのではあるが。 脳血管内治療は、虚血性疾患のみの対応となり、…
カンファレンスで得た耳学問。 ・肺は線溶活性が高く、小さいDVTが塞栓してPA末梢を閉塞しても臨床的な問題となることは少ない。 →下腿のDVTは小さいので、PEとなっても問題にならない。 →ただ、PFOやpAVFなどの右左シャントがあれば、奇異性脳塞栓症のリス…
血管病変に起因する脳実質内出血での、二次性脳出血のリスク評価に関する論文。 脳出血症例も多くコミットしていますが、この論文は知らなかったので、勉強しましたので、覚書程度に記載します。 Practical Scoring System for the Identification of Patien…
先日久しぶりにParodi法でCASをやりました。 いつも通り、CCAに8Fr Optimo EPDを留置。carotid Guardwireがないので、SHOURYU 7*7mmをECAに留置して、逆流回路を構築しました。 Filterwireでlesion crossするときのみ逆流しておいて、ICA遠位でFilterwire la…
CASの際のEPDについて.Filterwireをよく使用していますが,バルーンの出し入れ時,ステント誘導時など,よく動きます. CASはかなりの症例数を経験していますが,それでも動きます. 動いてなんともないこともありますが,spasmで血流悪くなることもありま…
今日,初めてOPTIMAコイルを使用しました. VAの嚢状動脈瘤に対して,シンプルテクニックでのコイル塞栓術.finishingで使用しましたが,これ以上入らなくてもCOで終われるくらいの状況で,試しに使用してみました.非常に柔らかく,スペースを探してスルス…
最近,週2ペースくらいでくも膜下出血の患者さんが搬送され,脳動脈瘤コイル塞栓術を行う機会が多いです. gradeⅤのケース,脳血管攣縮と尿崩症を併発すると,全身管理を非常に厳密にする必要があります.これらの病態をよく考えてみると,脳血管攣縮は再破…
今日の内科カンファレンス。 腹部単純CT画像が提示され、肝実質が一様に高信号でした。 造影していないのに、真っ白な肝臓!? アミオダロン肝、ヘモジデローシスでなりえるそうです。
55F SAH case 某日、右)ICPC動脈瘤破裂、WFNS 1。dome H=10.3mm、dome W=8.6mm、dome D=10.0mm、neck=8.0mmの動脈瘤、PcomAは近位側のネック付近から分岐。double catheter techniqueでコイル塞栓術を行いました。neck remnant、coil 18本/135cmで終了。ネ…
この約3週間でCASが3例ありました。 すべてCASPERを使ってみました。 1例目は先日投稿したcase。 2例目は、3月初旬にAISで救急搬送され、左)ICA total occlusionでしたので、血栓回収しました。3 pass、TICI 2bでした。術後、意識や片麻痺はfull recovery、…
今月はIVR症例が比較的多く、緊急治療も予定治療もまんべんなくできています。 今日は、新しいCAS用ステント「CASPER」を初めて使用しました。数年前に所属していた施設で、国内治験に参加させていただいていたので、楽しみにしていたデバイスです。 症例は6…
以前の投稿で、石原慎太郎さんと三島由紀夫さんの対談で、男の最高の美徳とは自己犠牲と話されたエピソードを書いた。 自己犠牲。夫として、父親として、仕事人としてなど、様々な場面がある。 今の職場での看板は「神経内科」。何が専門だろうが「内科医」…
神経原性肺水腫をきたした左内頚動脈閉塞症の1例(臨床神経 2021, 61, 29-32)という論文が興味深かったので、整理してみました。 超急性期脳梗塞で、血栓回収療法を行った症例の報告です。 全失語、左共同偏視、右片麻痺で、NIHSS=19点。MRAで左ICA、左PCA…
去年末の最終週に、担当患者さん2名の状態が悪くなり、年末年始の1週間、毎日出勤していました。おかげさまで、その2名の患者さんの状態は快方に向かい、胸をなでおろしています。 今年に入ってまだ5日ですが、すでに脳血栓回収術症例が2例ありました。 1月2…
頭蓋内ステント留置に際して、一定期間のDAPTが必要となる。 しかし、AfのためにDOACs内服しているケースでは、一定期間はDOACs+DAPTの3剤併用とならざるを得ない。その場合は出血リスクと血栓リスクのバランスを考慮して、3剤併用期間を検討することになる…
昨日、後頭蓋窩AV shuntのTAE症例がありました。 左)PICA、SCAをメイン流入動脈とし、小脳皮質表面or小脳テント近傍に、おそらくdirect shuntingあり。無症候性ですが、静脈逆流があるため、治療適応としました。 4Fr FUBUKI sheath / 3.2Fr TACTICSのトリ…
医師として、「よし、俺が診よう」という心意気は常に持っていたいと思う。 専門外の症状は、兎角犬猿しがち。 もちろん、専門家がいれば自分が診る必要はないかもしれない。 発熱などのgeneral symptomの場合、あるいはどの診療科にも当てはまらない症状の…
医師は、「医学」の実践者か?「医療」の実践者か? 一般的に、社会的地位が高いだとか、憧れの職業だとか、頭がいい人しかなれないだとか、収入が高いだとか、いわれる職業として、日本では、医師・歯科医師、弁護士、公認会計士、税理士などがその代表とし…
季節の変わり目、気温が下がってきたとたん、急性脳卒中の患者さんが増えてきます。 この3週間、緊急カテーテル治療が6件、予定カテーテル治療が2件ありました。 出血性、虚血性いずれも増えてきました。 昨夜2020/11/14の症例。21時にcallあり、23時頃から…
この5日間で4例の急性期脳梗塞で血管内治療適応の患者さんが救急来院されました。 ①VA閉塞:解離? →ステント回収、failed →やはり解離 ②M2閉塞、CE →ステント2pass、TICI 2c ③M2閉塞、ATBI →発症22時間で来院、ステント2pass、failed ④M1高度狭窄、ATBI →ス…
etiologyの分からない急性期脳卒中の症例。 今日は人間ドックの外勤日。当直明けで気だるい感じでしたが、なんとか勤務を終え、あとは自宅でゆっくり家族で夕食を、というoff-time modeのときでした。 電車で帰宅途中、当直の脳外科Drからcallで相談を受け、…
脳卒中、特に脳血管内治療をメインに仕事をしています。 先日、超急性期脳梗塞に対する脳血栓回収療法で出会った症例で、治療中に初めて経験したイベントがあったので、書いてみます。 ICA top閉塞と思って治療に行きました。C-CAGすると、ICA起始部のアテロ…