脳内科医Jのブログ

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【仕事】帰任!

 2024年1月16日,3月までの予定だった前任地から,予定を早めて帰任しました.

 前任の大学病院に比較してやはり救急搬送が多く,帰任4日間で,緊急カテーテル治療が2件,診断カテーテルが2件,IV-rtPAが2件ありました.

 

 緊急カテーテル症例は,

①AIS-LVOの血栓回収術:左ICA-C1のおそらくT-occlusion.combined technique,EMBOTRAPⅢで,1 pass,TICI 3.会心の症例でした.

②左破裂VADA亜急性期:

 PICA-involvedのため,OA-PICA bypass後にVA-PAOの予定でしたが,SAH後の神経原性肺水腫,たこつぼ心筋症(EF<30%,VT多発)のため,長時間のパークベンチ体位での全身麻酔は麻酔科からstop.破裂予防治療は必須なので,やむなくPICA sacrificeでPAOの方針に変更.

 同側からdouble catheでPAOを企図したが,GC誘導時にVA近位から解離してしまって,同側アプローチが困難に.対側VAからunion超えで逆行性アプローチに変更.やはりunion超えが難渋し,BAにSHOURYUを置いて「flip-turn tech」でMCを誘導しようとしましたが,SHOURYUをVAに誘導していくと,シャフトの剛性のためかアコーディオン現象のため対側VA血流が高度に遅延し,BA血流がやばいことに.病変側VAは解離で血流悪くなっており,これではBA血流がまずいので,SHOURYUは急いで抜去.やむなくMC 1本でなんとかunion超えを再トライし,なんとか逆行性にVADAにアプローチでした.コイル25本使用して,解離部とPICAの完全閉塞を達成.

 翌日のMRIでは,PICA領域の小脳・延髄外側,対側小脳,脳梁膨大部などに梗塞出現.術前の想定範囲の虚血巣だった.

 

 帰任早々,脳卒中・脳血管内治療を堪能し,働かせていただきました.