昨日、後頭蓋窩AV shuntのTAE症例がありました。
左)PICA、SCAをメイン流入動脈とし、小脳皮質表面or小脳テント近傍に、おそらくdirect shuntingあり。無症候性ですが、静脈逆流があるため、治療適応としました。
4Fr FUBUKI sheath / 3.2Fr TACTICSのトリアキシャルシステム。
①左)PICA:Defrictor / CHIKAI X10、10% NBCA
②左)PICA:Defrictor / CHIKAI X10、10% NBCA
③左)SCA:Marathon / CHIKAI X10、10% NBCA
これでだいぶ静脈逆流が減ったが、根治を目指してPICA、SCAに追加エンボリを目論んだ。が、ここで照射線量が6Gy。。。まさかの。アンギオ装置が古いのと、frを上げたのと、拡大撮影しているのとが相まって、高線量になってしまいました。
治療に集中して、線量に気が向いていなかった。兎に角、一旦ここで終了。
静脈逆流はかなりslowになっているので、自然血栓閉塞も期待しつつ、放射線皮膚障害の経過観察しつつ、1か月以上あけて、DSA checkすることに。
それで残存していれば、追加TAEを予定することにした。
この症例で学んだ点。
・メダリオン1mLに10% NBCAを充填し、注入直前までドライヤーで加温。ここで温めすぎると、メダリオンが割れる。人肌くらいに少しでも温まればOKとする。NBCA専用のメダリオンもあるらしく、それも使った。
・10% NBCAは初めて使った。今までの最薄は12.5%だった。10%でのpenetrationしやすさの程度が分からなかったが、だいぶ流れやすく、飛びやすい印象。次は12.5%でやってみようかな。
・tentorial dAVF、pial AVFは画像上どうやって区別すればいいんだろうか。
・Defrictor(dead space 0.26mL、Marathonのそれは0.23mL。defrictorの方が細いのにdead spaceが大きいのは、ハブの部分がMarathonより大きいから。)は初めて使用。先端markerより先5mmは透視下では見えない。この見えない部分がblade入ってなくて柔らかさを実現している。