脳内科医Jのブログ

実りある人生のために

【仕事】急性期脳梗塞の患者さん、増えてきました

この5日間で4例の急性期脳梗塞で血管内治療適応の患者さんが救急来院されました。

①VA閉塞:解離? →ステント回収、failed →やはり解離

②M2閉塞、CE →ステント2pass、TICI 2c

③M2閉塞、ATBI →発症22時間で来院、ステント2pass、failed

④M1高度狭窄、ATBI →ステント1pass、PTAバルーンで通過だけで完全再開通。

 

etiologyが不可解、手が出せない病変、手技的に難易度の高い症例が続きました。

加えて、ガイディングカテーテル誘導困難も。

ATBIはM2となると、バルーン誘導できないし、PTA自体がリスクだしで、手が出せません。

M2 emboliのステント回収は、血管へのtensionで穿通枝の引き抜け損傷からSAHを起こす例がありましたが、J社のEmbotrapはgentleなステントで、tensionが少なく、SAHは少ないように感じます。

 

現在の勤務地の医療圏は、前任地の大阪市内より、患者さんの平均年齢が10歳くらい高いように思います。そのためか、動脈硬化の程度が強い方が多く、カテーテル誘導困難例、ATBI症例が相対的には多いように思います。

したがって、これらの患者さんの緊急カテーテル治療の際のシステム、戦略はよく考えておかないと、時間ばかりかかって、治療の恩恵を授けられない可能性が高まると思っています。