抗血小板剤の薬理・薬物動態を改めて勉強していたら、アスピリン作用の中和にデスモプレシンが有効という論文に出会った。
Neurocrit Care 2011,14,148
Eur J Anaethesiology 2002,19,647-651
desmopressinは、
・第8因子、vWFの血漿中レベルが上昇する。
・内皮細胞表面のTF発現が上昇する。
・血小板膜を直接刺激して、凝集能を改善する。
ことによって止血機能を改善する。
0.03μg/kg、iv or nasal。
投与30分後からvWFの遊離が始まる。
30分くらいで効果がでて、4時間持続する(t1/2=3.5-4.5hr)。
血小板凝集能はBorn test、PFA100 timeで測定。
繰り返し投与で、tachyphylaxis(効果漸減)があるかもしれない。
アスピリン以外に、チクロピジン、クロピドグレルにも有効だろう。
ただ、GⅡb/Ⅲa受容体遮断薬のabciximabなどには無効。GⅡb/Ⅲa受容体は血小板凝集の最終段階なので、第8因子やvWFが増えても受容体を刺激しきれない。