論語の根本思想は、「忠恕」 = 「仁」
・忠;親切、恕;思いやり
・自分の欲に克ち、礼という規範に復るのが仁。
・礼に外れたことは、視、聴、言、動しない。
忠恕を実行するには、知略が必要。
・知(知恵、判断力)、略(臨機応変さ)
・仁を実行するには、いろんな場面で七情(喜怒哀楽愛悪(憎)欲)が出てくる。これを理知でコントロールすること。
「門を出でては大賓を見るが如くし、民を使うには大祭に承(つこ)うるが如くす。己の欲せざる所を、人に施すこと勿れ。邦に在りても怨み無く、家に在りても怨み無し。」
家を出て人と接するときには、大切な客を接待するつもりで接し、人民を使うときには、大切な祭祀を担当するときの慎み深さを忘れない。自分が望まないことは、人にもしないように。そうすれば、恨まれることはない。
「仁者は其の言や訒(じん)」「其の言や訒(じん)、すなわち之れを仁というや」
仁の人は言葉控え目だ。
言葉を慎み、行いを先にして、事々に礼を踏まえれば、仁。
言葉多いと下品になり、饒舌家は人に乏しい。
「能く五者を天下に行うを、仁となす。」「恭、寛、信、敏、恵。恭なれば則ち侮られず。寛なれば則ち衆を得。信なれば則ち人任ず。便なれば則ち功有り。恵なれば則以って人に使うに足る。」
5つのことを世に行うことができれば仁。その5つとは、恭、寛、信、敏、恵。
恭;つつしみ深くしていれば人から侮られない。
寛;人に寛容で心が広ければ、人々の心を得ることができる。
信;言行が一致して誠があれば、人から信頼され仕事を任される。
敏;機敏に実行するなら功績があがる。
恵;他人に財を分かち与えるなら、うまく人を使うことができる。